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覚書 ―気密― 


気密とは

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【頑張って損は無いもの】

です。

といわれても、取り組めばお金もかかりますし、作業時間も取られます。
ですので結びつく結果に言い換えると
【冷暖房を止めても温度維持しやすくなる】
【断熱材の性能を最大限発揮/維持できる】
【空気の入れ替えが容易になる】
といえます。
付随して電気代や燃料代が抑えられ、長期的にかかり続ける費用を削減できます。空気の入れ替えが容易であれば掃除の際発生したホコリ等を換気扇で上手に排出できます。


さて、上記のお得さをヘッポコ図解していきます。合わせて施工方法等も紹介していきたいと思います。
図解1


まず上の冷暖房効果について。
極端な絵なので難しい事は無いと思いますが、スキマがたくさんあれば冷暖房の効きも悪く、維持も出来ません。これに対して気密がとれているお部屋は右側です。
現在日本の住宅等はシックハウス症候群対策で2時間で1回くらい空気を入れ替える換気設備が必要で、完全な気密というものはありません。
ですが、空気の出入り口が最小になってさえいれば効きがよく、維持もしやすいです。


続いて下の段ですが、その前に補足。
建築の気密工事には密閉する事のほかに“壁の中に水分を入れない”という目的があります。
なぜ?というのが図の話です。
水分が壁の中に入ると【結露、カビ、シロアリ、腐り】が発生するほか、グラスウールのような繊維系を使っていた場合【断熱性の低下、重くなる事によるずれ落ち】が起き、壁の基本性能も低下してしまいます。
その様な理由で

室内側は【防水・防湿シート】

屋外側は【防水・ 透湿(入ってしまったものの逃げ口になる)シート】

を使用します。

 ちなみに内外のシートを逆にするのはNGです。基本的に入浴や料理、人など、室内側の方が湿度が高くなるからです。

 そんなこんなでこれらが正しく出来ていれば、最大限の性能を長期間保持できるようになる訳です。

図解2

最後に空気の入れ替えが容易になるということを説明します。
 建築的には換気計画が実現しやすいという事なんですが、あまりありがたみを感じない方もいると思うのでストローの例を挙げていきます。
 図の部屋には「吸気用の窓」と「排気用の換気扇」があり、換気扇からは5という量の空気が追い出されるとします。
 スキマが多い場合、様々な場所から空気が入るため、窓から入り込む空気量が少なくなります。(左図)
 すると空気を運ぶ力も小さくなり、右の図より運ぶ力が弱い事がわかります。
 これは穴のあるストローのようなもので、吸っても穴から空気が入ってしまい全然吸えていない状況です。穴が無ければ吸った分だけ運べますよね。(この吸えない部分にカビやホコリがたまります)
 運ぶものがホコリの場合、やがて落ちてくるので短時間に強力に運べればなおさら効果的です。
 このように空気の入れ替えが迅速で効率よくできるということは掃除のときに限らず、湿気のたまりやすい場所などではカビの発生を抑制し、なにより住環境を機械的に改善する事が出来るようになります。(快適にしやすい)




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施工について

それだけの恩恵があればさぞ高かろう難しかろうと思います。
が、必要な道具は気密シート、気密テープ、タッカーぐらいです。
作業の方は難しいというより根気のいる作業だと思います。
 シートの重ね代などは守って頂く前提で、お部屋の隅っこや複雑な部分(出っ張りや引っ込み部分)などをしっかり塞ぐのが大変です。
 でもこれについては成果が自分にかえってくるDIYに丁寧に取り組む事ができれば問題なく可能です。
お仕事でやっているとどうしても時間に追われ、かつ見えなくなる部分なので業者さんの練度や良心によってしまう部分はあります。

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認定を取るには検査実測も必要なんですが、DIYで長期優良住宅の申請、認定を取る理由はさほどないとは思います。
ですのでやるかやらないかはそこに滞在する時間が長いかどうかによると思います。

→吸音遮音についてへ


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